6速の奇跡

 さて昨日はお仕事終わって、プールに行って、最後の最後に足をつった後、再びワイン1本ひっかけていた、「おバカな」私。今日は日曜日、ミニカーのお話。2枠目の今週は「F1」。ついに始まったリオ五輪から、そのブラジル、ブラジルといえばこれでしょということで、コーヒーと共にお部屋のこぐまが引いてきましたこんな車のお話です。
(これ、足はようなったんかな、ミーシャ。)

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 今月はこちら。ブラジルに世界チャンピオンをもたらしたのはフランシスコ・ザビエルじゃなかったエマーソン・フィッティパルディ。1972年に世界チャンピオンになった翌年、凱旋レースとしてブラジルでF1グランプリをやることになりました。それを見ていた当時12歳の少年は後にF1デビューしますが、このブラジルだけはなぜか勝てませんでした。ということでちょっと順番が入れ替わりましたが、「MP4/6」(1991年)です。この年から搭載された「最終兵器」、ホンダRA121E,60度V型12気筒、3500ccエンジンの最初の年のモデルです。ただオス型成型のモノコック、旧態依然としたサスペンション・ジオメトリーなど車の中身としてはそんなに大した中身ではなく、セミATもトラクション・コントロールもない従来の車です。そんな中でマクラーレンは次第に時代から取り残されつつありました。

 この車の大きな変更点はサスペンションがプル・ロッドからプッシュ・ロッドになったこと、プッシュ・ロッドとは、タイヤが段差を乗り越えて上に動く時、アームがスプリングを押すように車体の方向に動きます。(正面から見ると、サスペンション・アームは「ハの字」になります。)対してプルロッドはタイヤが上に動く時、アームは逆にスプリングを引っ張るように動きます。(正面から見ると、逆「ハの字」になります。)それぞれの長所、短所はこんなものです。

 プッシュロッド 整備性に優れる 設計自由度が高い(取り付け部分が上にあるため、下へ潜り込む必要がないからです。) 
           どうしても重くなる(押す力に対して動くため、その力でロッドが歪むことを防止するためです。)

 プルロッド   逆に軽くできる 重心を低くできる(取り付け位置が低いからです。)
          デザイン上の制約が大きい(特に前、最近のハイノーズ車では難しいものです。)

 またエンジンが12気筒になった分、長くなったため燃料タンクその他も大きくなり、ホイールベースは40mm伸び、かなり大柄になりました。

 そして迎えた1991年シーズンは、セナが開幕から4連勝、ライバルたちを尻目に独走態勢か?と思われましたが、その実はここで出てきた「ハイテク野武士集団」ウィリアムズ、当初は「大したことない」と思われていましたが、モナコでその評価は一変します。この後、中盤はウィリアムズの猛追を受け、あわやひっくり返される寸前まで行ってしまいます。しかし8月のハンガリーとベルギー、本田宗一郎の逝去を受けて、必勝態勢で臨んだレースをセナが連勝、そして最後の聖戦、鈴鹿へ向かうことになります。

 鈴鹿では同僚のベルガーがポール・ポジション(この時のタイム、1分34秒700は2001年にシューマッハが更新するまで鈴鹿のコース・レコードでした。)、そして決勝レースでもマンセルがリタイヤでチャンピオン決定、18周目のバックストレートでかわしてトップに立つと、そのまま独走態勢に入りました。最終ラップに入り、そのままゴールするかと思われたのですが、シケインを過ぎた最終コーナーで突如ペースダウンし、ベルガーが再逆転してトップチェッカーを受けました。レース前、両者は「1コーナーをトップで通過したものがそのまま先に行く(優勝する)」という約束(以前にセナはこれをチャラにした「前科」はあります。)を交わしており、セナがこれを守ってベルガーに勝利を譲ったものの、この後で「水まきツンデレ男」ロン・デニスを交えて「3者面談」をやることになります。(またやってる。)

 とはいえ、この車が凄かったのはこの年の第2戦、雨ふりのブラジルGP、セナの奇跡の走りっぷりが特筆される所です。何がどうしたかというとレースの途中で次々とギヤが入らなくなり、最後には6速ギヤだけで走る羽目になったんです。雨降り、後ろからは追手が迫る、ましてやこのサーキットはやたらと路面が跳ねるという悪条件、後に語っていましたが、ホンダV12のパワー・バンドがこんなに広くなければいつ止まってもおかしくないという極限状態の中で、結局最後はトップでゴールイン、初めて地元で勝ったセナはコクピットの中で放心状態。「野生の王国」(昔にやっていたTBSの動物紀行番組、今でいえば「ダーウィンが来た!」みたいなやつです。)のような絶叫でして、結構印象に残っています。(ただ、この絶叫がテレビに流れた事にビックリしたロン・デニスは「無線の機密保持」という理由で、ケンウッドの新型を使うようになりました。)

 画像はサンクスの物をエッフェのデカールでチョロっといじった物ですが、いじる前の物をお持ちの方は赤と白の塗り分けの部分をじっくりと見ていただくと、タバコ対策もここまで来たかと思うんです。なぜなら、本来ならピシッと直線で塗り分けられている所、エッジが丸められている(これで、タバコを類推させるという事から逃れている)んです。そして今日も出たのよ、諸元はこちら。

 車名          MP4/6

デビュー        1991年
全長          4496mm
全高           965mm
全幅          2120mm
ホイール・ベース    2830mm
トレッド(前)     1824mm
    (後)     1669mm
車重           505kg(燃料、ドライバー含む)

エンジン        ホンダ RA121E
形式          水冷レシプロ V型12気筒 DOHC4バルブ
総排気量        3497cc
ボア×ストローク    86.5×49.6(mm)
Vバンク角       60度
最大出力        735馬力/13,500rpm
圧縮比         12.15
燃料噴射システム    ホンダ製 デジタル電子制御(PGM-F1)
点火システム      ホンダ製 電子制御(PGM-IG)

燃料          シェル
オイル         シェル

駆動方式        後輪駆動方式
変速機         前進6速 マニュアル縦置き(+後退1速)
差動システム      ZF社製 リミテッド・スリップ・デファレンシャル

シャシー        カーボン・コンポジット・モノコック
サスペンション(前)  独立懸架 ダブル・ウィッシュボーン式プッシュ・ロッド
       (後)  独立懸架 ダブル・ウィッシュボーン式プッシュ・ロッド
ブレーキ        ブレンボ社製 4輪ベンチレーテッド・ディスク(カーボン製ディスク)
ステアリング      ラック・アンド・ピニオン
タイヤ         グッドイヤー
ホイール        スピードライン 13インチ
燃料タンク容量     210リットル

デザイナー       ニール・オートレイ
ドライバー       アイルトン・セナ/ゲルハルト・ベルガー

 ということで今日のお話はここまで。ちょっと長くなってしまいましたが、今日から始まる高校野球も楽しみにしてましょということで、おうちでリモコンを動かす手が忙しくなりそうです。
(これ、ダラダラしとったらいかんよ、ミーシャ。)
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