同じエンジンの割には…。

 さて昨日はテニスにプールに、とどめに晩は再びワインをブチ開けて、グフフの蹄を研いでいた私。今日は日曜日、ミニカーのお話。2枠目の今週は「F1」、今月はこんなお話です。
(これ、ちゃんと食べた後は片付けとってね、ミーシャ。)

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 F1史上に残る名エンジン、ホンダのRA168Eですが、このエンジンは1988年、マクラーレンが世に出したMP4/4と共にアイルトン・セナを初めて世界チャンピオンに押し上げました。16戦15勝という驚異的なシーズンだったわけですが、その裏でこのエンジンはロータスにも積まれていました。セナをマクラーレンに差し出すという条件で回したというのが世間の俗説ですが、今日はそのエンジンが載った「100T」(1988年)のお話です。

 前年の99Tからアクティブ・サスペンションを外し、エンジンの換装やレギュレーションの変化などで、カウルはほとんどの部分を新造されており、わずかにリヤカウルの峰の部分 やリヤウィング形状などに先代の面影が残っています。この年から「ドライバーのつま先は着座状態で前車軸の後方に位置しなければならない」という、いわゆる「フットボックス・レギュレーション」が施行されたため、着座位置が車両中央近くに移動し、それとともにノーズが延長され、見た目は随分と「スリムに」なりました。フロントサスペンションも、99Tのプルロッドからプッシュロッド方式に変更されています。 またターボ車に限り、燃料制限は150リットル(前年は195リットルでした。)と相当厳しいものになりました。

 世間一般の評判は「マクラーレンと同じエンジンだし、乗るのは世界チャンピオンのネルソン・ピケ、悪くてもそこそこ上位には行くでしょ」という「極甘な」下馬評でしたが、ふたを開けてみると、名手ピケをもってしても100Tの基本設計のまずさはごまかしきれるものではありませんでした。 見た目はいかにも速そうなのですが、主に車体の剛性不足でエンジン・パワーを受け止めきれず (この年のホンダ・エンジンは680馬力前後だったと言われていますが、通常F1マシンでは剛性的にはまったく問題にならない程度の数字です。)、また風洞テストの際に得られた間違ったデータでそのまま設計してしまったとされ、結果的に優秀なマシンにはなれませんでした。(風洞が狂った例では最近のフェラーリがあります。このため以前トヨタが使っていた風洞を借りていたこともありました。)

 また不運だったのは、ピケが前年のイモラで大クラッシュをやった後、その後遺症に悩まされていたことでした。見た目はどうもなくても、事故の衝撃は身体の中に残ります。そのため、本来の能力を発揮できなかったというのもこの車の運命を決定づけました。
アクティブ・サスペンションの開発で無駄な労力と資金を使ったせいで、ノーマル・サスペンション用のデータの蓄積が間に合わず、また車体の剛性不足によるコーナリング性能の悪化、空力設計の失敗など、ほとんどいいところなく終ってしまいました。その頼みのホンダ・エンジンも、ロータスが使っていたエルフ製オイルとの相性が悪かったのかたびたびトラブルを起こしたといわれています。(ちなみにマクラーレンはシェル製でした。ホンダは過去、モービル、エルフ、シェル、エネオスの4社を使っていますが、一番成功したのはシェルです。)まさに踏んだり蹴ったりそのうえ殴ったり、の体たらくでした。

基本設計に欠陥のある車体、クラッシュの後遺症で万全とは言いがたいコンディションのワールド・チャンピオン、そして肝心のエンジンも本調子を出せない。そんな中で3度の3位表彰台は、殊勲と言うよりほかないものです。このずれの結果、ドゥカルージュはそのシーズン途中で、ロータスを去ることになります。そんな中、第15戦の鈴鹿、中嶋悟は予選6位(この時のタイムは同じマシンに乗っているネルソン・ピケと同じタイムでした。同じタイムの場合、先に出した方が優先されます。)、さて決勝は?と思わせたのですが、何とここでエンスト、しかし「母が押した」のか(この直前に実母を亡くしています。)、鈴鹿のホーム・ストレートは下り坂のため、車は動き始め、それが押しがけ状態になって、エンジンはかかったんです。その中で7位になったというのがこの1988年のハイライトでした。

 またこの車はタミヤが図面を引いていたことでも知られています。「F1 = タミヤ = 1/20」というイメージがありますが、本物は最高モデル「ビッグスケール・シリーズ」、1/12は1980年に「ルノー RE20」が出て以来、しばらく休眠状態でした。1990年に「フェラーリ 641/2」で復活する(私は史上最高のモデルだと思います。20サイズでは省略されてしまう所でも、ちゃんとついてるし、ウルトラ・マルチ・マテリアルな箱の中身も腰を抜かしました。)わけですが、その前にタミヤはこの車を12サイズで作ることを企画していました。しかしあまりの走らなさに、この企画はボツになってしまいました。

 ミニカーはサンクスのもの(2009年)、それをタバコその他加工しています。そしてお楽しみの諸元はこちら。

車名          100T

デビュー        1988年
全長          4220mm
全高          1003mm
全幅          2146mm
ホイール・ベース    2750mm
トレッド(前)     1800mm
    (後)     1650mm
車重           540kg(燃料、ドライバー含む)

エンジン        ホンダ RA168E
形式          水冷レシプロ V型6気筒 DOHC4バルブ ツイン・ターボ
総排気量        1494cc
ボア×ストローク    79×50.8(mm)
Vバンク角       80度
最大出力        685馬力/12,300rpm
ブースト圧       2.5バール
圧縮比         9.6
燃料噴射システム    ホンダ製 電子制御(PGM-F1)
点火システム       ホンダ製 電子制御(PGM-IG)
燃料          エルフ
オイル         エルフ

駆動方式        後輪駆動方式
変速機         前進6速 マニュアル縦置き(+後退1速)
差動システム      ZF社製 リミテッド・スリップ・デファレンシャル

シャシー        カーボン・コンポジット・モノコック
サスペンション(前)  独立懸架 ダブル・ウィッシュボーン式プッシュ・ロッド(+トーション・バー)
       (後)  独立懸架 ダブル・ウィッシュボーン式プッシュ・ロッド(+トーション・バー)
ブレーキ        ブレンボ社製 4輪ベンチレーテッド・ディスク(カーボン製ディスク)
ステアリング      ラック・アンド・ピニオン
タイヤ         グッドイヤー
ホイール        スピードライン 13インチ
燃料タンク容量     150リットル

デザイナー       ジェラール・ドゥカルージュ/マーティン・オグリビー
ドライバー       ネルソン・ピケ/中嶋悟

 ということで今日のお話はここまで。今日から始まる大河ドラマはさてどうなるのか?それをちょっと楽しみに見てみましょという次第です。
(ほれ、することはしとかんといかんよ、ミーシャ。)
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