最後の黒

 さてお外は雨、そのため今日はお部屋で仲良くお留守番のこぐまちゃんとお話の私。今日は日曜日、ミニカーのお話。2枠目の今週は「F1」、今月はこんなお話です。
(これ、ちゃ~んとお話聞いたりや、ミーシャ。)

P1010011_convert_20151108065105.jpg

 今月はこちら。セナが初めてF1で優勝した時のモデル、「98T」(1986年)です。前年の97Tの改良版です。エンジンはルノーの新型、EF15Bになりました。主な変更点としては、1986年からのレギュレーションに合わせて燃料タンク容量が195リットルとされたこと、ボディーカウルがサイドポッド下端までの一体型とされたことなどです。サスペンションやタイヤなどは基本的に97Tから変更されていません。また一部のレースでは、フロントホイール後方に小型サイドディフレクターを装着。後のバージボード(整流板)の原型です。そして、この年のエンジンは今やF1エンジンでは当たり前の装備である「ニューマチック・バルブ」を投入してきました。

 ご存知のように、レシプロ・エンジンはカムシャフトについているカムがバルブを押して、開けたり閉めたりしてという仕掛けです。この開けたり閉めたりは「バネ」を使うのですが、従来のものは金属バネでした。しかしエンジン回転数が設計許容値よりも高くなると、バルブ・スプリングの共振によりバルブがカムシャフトの動きに追従できなくなる現象が起こります。これをバルブ・サージングといいます。この状態になるとバルブが想定外の開閉をしてしまい、状態が深刻化すると、ピストンとバルブが衝突する状態(ピストンは上がって、バルブは下がった状態、この状態ではピストンとバルブは当たっている場合も バルブ・クラッシュ)も発生し、バルブの破損によって生じた金属片がシリンダー内部に落ち、シリンダーやピストンを破壊し、エンジンが使用不能となります。(エンジン・ブロー)バルブ・サージングは、カム形状の変更のほか、固有振動数が異なるスプリングを組み合わせたり、不等ピッチの円錐形のスプリングを使用することで、技術的に一定程度の回避が可能です。しかし、ルノーは金属バネの代わりに圧搾空気で開け閉めする方法を採用しました。現在ではほとんどのF1エンジンで採用されています。

 エースドライバー、エリオ・デ・アンジェリスはチームを去り、アイルトン・セナがエースに昇格する。チームメイトにはスポンサーのJPSの希望でイギリス人ドライバーを選ぶことになりました。チームとしてはデレック・ワーウィックとの契約を予定していたが、セナが「トップドライバーが2人いることは、チーム力の分散になる」とワーウィックを拒否し、同郷かつ当時イギリスで同居していたマウリシオ・グージェルミンを推しました。結局、双方の妥協点としてジョニー・ダンフリーズがロータスのシートを得ました。98Tはセナのドライブにより16戦中8回のポールポジションを獲得しました。ターボ勢同士による上位争いに加わり、第7戦アメリカGP終了時点でセナがポイントリーダーとなるものの、ルノーエンジンはマクラーレン・TAGやウィリアムズ・ホンダに比べて、決勝での信頼性が劣り、2回の優勝、ドライバーズランキング4位に留まりました。

Senna_Brands_1986.jpg

 またこの車はロータスとずっと一緒に歩んだJPS(ジョン・プレイヤー・スペシャル)カラーの最後のモデルになります。以前にも書きましたが、黒にゴールドのロゴというのが通説でしたが、印刷物になった時にゴールドではゴールドに見えない(印刷でこのゴールドというのはかなり難しい技術です。似たような例にツタンカーメンの模写がありますが、あれも金色の絵の具はほとんど使っていません。)故に、ゴールドになるように逆算していくとこのミニカーにもある「黄土色」というのが候補に挙げられています。最近ではロータス・ルノーGPがかつてのこのカラーリングまがいの色で登場しましたが、あれもベージュということでこの逆算という過程の一部です。また一部のタバコ広告禁止国では月桂冠じゃなかった月桂樹(現在ではタバコはもちろんの事、アルコールも禁止という例があります。)のロゴを描いていたこともあります。

 ミニカーはサンクスのロータス(2009年)から。そしてマニアな「諸元」はこちら。

車名          98T

デビュー        1986年
全長          4216mm
全高          1003mm
全幅          2146mm
ホイール・ベース   2718mm
トレッド(前)     1816mm
    (後)     1620mm
車重           540kg(燃料、ドライバー含む)

エンジン        ルノー EF15B/C
形式          水冷レシプロ V型6気筒 DOHC4バルブ(ニューマチック・バルブ)
総排気量        1492cc
ボア×ストローク    80.1×49.4(mm)
Vバンク角       90度
最大出力        850馬力以上/12,500rpm以上(推定)
圧縮比          7.5
燃料噴射システム   電子制御
点火システム      電子制御

燃料          エルフ
オイル         エルフ

駆動方式        後輪駆動方式
変速機         ヒューランド社製 前進6速 マニュアル縦置き(+後退1速)
差動システム      ZF社製 リミテッド・スリップ・デファレンシャル

シャシー        カーボンファイバー・モノコック
サスペンション(前)  独立懸架 ダブル・ウィッシュボーン式プル・ロッド
       (後)  独立懸架 ダブル・ウィッシュボーン式プル・ロッド
ブレーキ        4輪ベンチレーテッド・ディスク
ステアリング      ラック・アンド・ピニオン
タイヤ         グッドイヤー
ホイール        スピードライン 13インチ
燃料タンク容量    195リットル 

デザイナー       ジェラール・ドゥカルージュ/マーティン・オグリビー
ドライバー       ジョニー・ダンフリーズ/アイルトン・セナ

 ということで今日のお話はここまで。最近、どうもふさぎ込むことが多いもので、ちょっと頭を冷やすべきのような気もします。
(ほれ、焦ったらいかんよ、ミーシャ。)
 
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