波乱の土

 さて今日は野球もお休み、そのため「心も落ち着く日」なわけで、このお話を書いている「精神修養が必要な」私。今日は木曜日、テニスのお話。4枠目の今週は「名勝負百選」、この「修養」から、現在行われているフレンチ・オープンにかけまして、こんな試合のお話です。
(アンタもまぁ、よ~見てんやね、ミーシャ。)

 1989年6月11日、フレンチ・オープン男子シングルスの決勝戦、この試合はこんな結果でした。

マイケル・チャン  6-1  ステファン・エドバーグ
 (アメリカ)   3-6   (スウェーデン)
          4-6
          6-4
          6-2

 第15シードのチャンと第3シードのエドバーグ、この「大穴の」対戦は誰もが予想しえなかった事態でした。とはいえエドバーグはこの年、クレー・シーズンを14勝1敗と「上出来な」結果(エドバーグはサーブ&ボレーのプレースタイルのため、クレーコートを苦手にしています。)でここまで来ました。準決勝のベッカー戦ではフルセットにもつれ込みましたが、「比較的」楽チンに決勝まで進みました。

 一方、チャンは準々決勝、レンドル戦で両足をつるなどフルセットの逆転勝ち、その後の2試合でも1セットずつ落としています。そんなこんなの青色申告じゃなかった桃色吐息、間違った青息吐息で決勝まで勝ち上がりました。世間では「4大メジャーの勝ち方を知っているエドバーグ有利、でもクレーコートというものがどう悪さをするか?」という下馬評でしたが、この試合は延々と打ち合いだけが続くだけのフレンチ・オープンの伝統を覆すことになります。

 第1セット、チャンのリターンをかなり前(ほぼベースラインの上)で構えています。。エドバーグのファースト・サーブでも、ベースラインよりかなり内側に構えてリターンしています。(エドバーグのサーブはほとんどの場合、スピンサーブ(縦回転)、クレーコートではべらぼうに跳ね上がるため、前で構えるという事はその跳ね上がる前にリターンしようという意図ですが、ある意味「ギャンブル性」の強い例です。)この奇策に動揺したのか、第1セットではエドバーグのサーブが乱れてしまう。もう一つ意外だったのが、チャンがラリーの中から積極的に機会を捉えてネットに詰めています。これで第1セットはチャンが6-1と『えっ?』という結果で取りました。

 第1セットで乱れたサーブが安定し始めたエドバーグが、第2、第3セットを連取しましたが、第4セットは接戦の末にチャンが奪います。ファイナル・セットに入ると、エドバーグに疲労の色が濃くなり、エラーの山を築き始める。そして最後のチェンジ・オーバーでは疲労困ばいのエドバーグ、主審に「コート・チェンジですよ。」と言われるまで気づかなかったほどでした。最後はフォアハンドのエラーでエドバーグが自滅したような感じの試合でした。
 
 改めて感じたのは、エドバーグのフォアハンドの弱さです。歴代のランキング1位の選手の中で、最も弱いのではないかといわれるほどですが、この理由は彼のグリップにあります。エドバーグはコンチネンタル・グリップという非常に薄いグリップでフォアハンドを打ちます。このグリップでスピンをかけるのは難しいが、エドバーグは無理に厚めのスピンをかけようとするものの、しばしば球の当たりが薄くなり、結果的にフォアハンドは威力に欠け、かつ浅くなってしまう。クレーコートなので、エドバーグ得意のサーブ&ボレーが簡単に決まらず、ラリーが多くなる。エドバーグのフォアハンドが浅くなったところを、チャンが叩いてネットに詰めて得点をする場面が何度もありました。エドバーグのバックハンドは安定していて球も深くコントロールされていただけに、フォアハンドの弱さが際立ってしまうわけです。俗に言われる「強いフォアハンドを持つ選手はそう簡単に負けない」というのはホントのことですねとこの試合を見ているとそう思います。

 17歳3か月の史上最年少でグランドスラムに優勝したチャンでしたが、結局はこの全仏がグランドスラム唯一のタイトルとなってしまいました。チャンがその後伸び悩んだのは謎です。まるで一発の「確変状態」だったわけですが、この後彼は世界2位まで上がります。今年もまた色々な名勝負を見せてくれるこの大会、私も毎年、楽しみにしています。という所で、今日のお話はここまでに…。
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